シリーズと作品
七つの主題から、作品と表現の背景をご紹介します。作品ごとの詳しい資料は、作家公式サイトに収録しています。
桜シリーズ
墨の背景に、桜の花びらが幾重にも浮かぶ。抽象化された空間と、立体感や透明感を帯びた花の姿が響き合い、曹亜鋼の桜の世界をかたちづくります。
作家の言葉
宇宙を感じる桜の美しさにため息
日本人にとても愛されている桜は、多くの画家のモチーフになっている。私は背景を抽象化させ、花の姿の立体感、または透明感は具象的に描くことで花を際立たせる方法をとっている。桜は宇宙に浮かぶ美の歓喜なのである。
富士山シリーズ
雲と光に包まれる富士。その姿を、墨、彩色、金色の表現で描き重ねてきました。山の稜線と広がる空間に、自然を見つめる画家のまなざしが息づきます。
作家の言葉
雲が流れ太陽の光が移ろう富士の神秘
古くから信仰の対象でもあり、また芸術の源泉ともなっている富士山。私も崇高な美しさを持つ富士に魅せられて、数十年前から、赤富士、墨富士、金富士、抽象富士を多数描いている。
印象Nipponシリーズ
日本各地の旅で出会った風土、文化、光景。その記憶を、油彩、日本画、版画、水墨画の技法を交えた表現へと結びます。旅の印象が、画面の中で新たな風景となります。
作家の言葉
新感覚で創造された美しい日本
画家として36年間、日本の各地を旅した。その総合印象Nippon。油画、日本画、版画と水墨画技術でまとめた新しいタイプの作品と言える。日本の風土、文化を愛し、その深部まで理解することに努めた画家としての新境地と思っています。
生け花シリーズ
花のかたち、枝の動き、余白のひろがり。生け花に感じる、ピアノの音階にも通じるリズムを、絵画の中にとらえます。
作家の言葉
生け花には様々な流派があるが、時にピアノの音階のようなリズムを感じることがある。そのリズム感を絵にしてみた。
山水
墨で描く山の稜線に、日本と中国の顔料を重ねる。空気の透明感と山々の厚みが、前景から遠景へと連なる空間に奥行きをもたらします。
作家の言葉
日本と中国の絵の具を使うことが重要です。日本の紅絵の具が、墨で描かれた山の稜線やそれを取り巻く空気の透明感を醸し出し、中国の絵の具で重量感を加えていくという両方の融合によって、前景、遠景と連なる優雅でダイナミックな山々を表現していきます。
抽象シリーズ
墨の濃淡、線の動き、白い余白。抽象の作品では、水墨の表情と構成を通して、かたちと空間の関係を探ります。
作家の言葉
私の抽象作品は、芸術大学院時代に抽象芸術絵画について研究し、いくつかの創作もしましたが、ヨーロッパや米国の色彩芸術とは異なって、白墨の世界で表現、追求していきたいと考えています。墨というものは、中国では五色に分けられると言いますが、加山又造先生は「墨は単なる黒ではなく無制限の色彩を持ち実に神秘的なものである」と言っています。私の抽象作品は、まだまだ探求的な段階ですが、これからも自分の個性的表現を開拓して行こうと思います。
花鳥虫魚シリーズ
牡丹、鳥、森に宿る生命。水墨と彩色、多様な技法を通して、自然の豊かな表情を描きます。花びらの重なりや鳥の姿に、繊細な観察と造形への思いが息づきます。
作家の言葉
花鳥虫魚シリーズでは、自然界の美しさや豊かさをテーマに、伝統的な技法と独自の表現方法を組み合わせて描かれた作品が集められています。森の中の静寂や生命力を水墨画と色彩で表現し、牡丹の優雅さと芳香を独自の染め技法と日本画の重彩法で引き立て、ふくろうの幸運を呼ぶ象徴を富士花鳥園からのインスピレーションを元に描き出しています。これらの作品は、長年の研究と実践を通じて生まれた独自の表現が光る一連のアート作品です。



































